小学生から中学生を対象にした一日お寺体験を指導したときのこと。
四〇分ほど坐禅をすることになった。
四〇分というと、大人でも身体の忍耐と精神の集中が続かない時間だ。
無理をしないようにと説明をして、色々準備をしてから坐禅をはじめると、みんなとてもしっかりと坐って集中していて、清々しい時間が進む。
二〇分で一度休憩を取り、「もう二〇分大丈夫?」と聞いてみると、
みんな「大丈夫!」と言うので、もう二〇分坐ってみた。
すると途中、小学五年生だが、まだ一年生くらいの体格の小さな男の子が、涙を流しているではないか。
「これはいけない」と坐禅をやめて、男の子に「どうしたの」と聞くと、何も言わず、声も出さず涙を流すばかり。
とりあえず、坐禅はそれまでにして、休憩を入れて、他の体験研修を行いつつ、少しずつその男の子に、泣いていた理由を聞いてみた。
すると「足が痛くなったけど、痛いというと、女の子にバカにされるから」「なんでか涙が出た」と。
そういえば私も、女の子の目を気にして、痛いのをガマンしたことがあったなと、「おさなごころ」が思い起こされ、微笑ましく感じるととともに、子供というのは、大人が思うよりも、周りの目が気になるし、周りに気を使っているものなんだと感じたものでした。