人生には、安定した時期と、変動する時期とがあります。その変動する時期を、どううまく乗り切るかがで、人生が変わっていく。
変動の時期は、それまでの安定した状態が無くなって、喪失感や空虚感に苦しめられます。その苦しみは、新しい関係が作られて安定するまで続きます。家族との死別が、その最たるものと言えるでしょう。
就職、転職、退職も変動の時期です。友人が失業しました。人間関係と既得権益のなかで、うまく立ち回れなかったらしい。世間はエゴのせめぎ合いと損得のぶつかり合いですからねぇ。
自身の坊さんという立場に照らし返しますと、お寺はそのようなエゴや損得から半歩くらいは引いた立場に居たいです。が、そう簡単にはいきません。まぁ、そういうもんでしょう。
安定と変動というサイクルをへて、いつか終わり(死)を迎えます。仏教ではそれを諸行無常といいます。喪失感やエゴのせめぎ合いを諸法無我といいます。